2007年12月20日、この日はバッハ、モーツァルト、ショパンの舞曲をそれぞれの時代のピリオド楽器の演奏で踊るという画期的な公演を催しました。
(主催:サロン・ド・サーシャン 於:兵庫県立芸術文化センター 小ホール)
作曲家
演奏楽器
1685-1750
J.S.バッハ(ドイツ宗教音楽の巨匠)
チェンバロ〈フォン・ナーゲル〉
1756-1791
モーツァルト(ドイツ古典音楽の天才作曲家)
フォルテピアノ〈シュタイン〉
1810-1849
ショパン(前期ロマン派音楽を代表する作曲家)
フォルテピアノ〈エラール1852年製〉
 
Johann Sebastian Bach
「近代音楽の父」
ドイツ アイゼナハ出身
 バッハはたくさんの舞曲を残していますが、その殆どが形式化した舞曲です。ではバッハの舞曲は踊れないのでしょうか?私は彼の舞曲に接する度に、バッハは実際の踊りをよく知っていたのではないかと思います。そこで舞踏譜などの当時の踊りの資料を元に、バッハの組曲と共に踊りをご紹介したいと考えました。

 出来るだけ多くの踊りをご紹介する事を優先したので、フランス組曲の1番と5番から抜粋し本来の曲順とは異なっている点はお許しください。踊りの動きを通してみるバッハの舞曲は、時に躍動的で明るく、時にしなやかです。踊るたびにあらためてその素晴らしさに気づかされます。

*本来2人用の踊りが多いのですが、この日はソロで踊りました。

サラバンド
 
上図:サラバンドの舞踏譜  
 アルマンドは本来活発な踊りですが、この日は曲の雰囲気に合わせた動きに修正しました。クーラントは「宮廷舞踏の王」とも言えるほどバロックダンス中で最高格の踊りであり、クーラントステップを使いながら円やスクエアを描くように進んでいきます。メヌエットは「女王」的な存在であり、2小節を1単位として6拍ずつ使いながら、軽快なメヌエットステップを行います。時折、床にZを描くように進んでいきますが、これはフランス国王ルイ14世に対するオマージュであり、メヌエットにしかない踊りの特徴です。

 サラバンドは2拍目にアクセントがつくとよく言われるますが、それは決して重くなく、表情豊かなものです。ガヴォットは跳躍が多く使われる愛らしい踊りで、ブーレは3歩1単位とするブーレステップを中心に軽快に踊ります。バッハの鍵盤作品としてのルールはこれ1曲ですが、当時オペラやバレエでは人気が高く、頻繁に踊られていました。ジーグはブーレステップ他を使い軽やかに踊りますが、音と動きの関係は複合拍子独特のものになっています。
*2007年12月20日の公演「メヌエットからワルツへ」のプログラムノートからの引用

バロックダンスの歴史と魅力 モーツァルトの舞曲
 
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